2015年 07月 07日
ギリシャの国民投票を考える。 |
ギリシャの国民投票は反対多数という結果が出た。EUの緊縮措置はギリシャ国民により厳しい経済的負担を求めるものであるから、同意できない者が当然出ることは予想できる。問題は同意できない者が出ても、それでもなお、厳しい対応が必要である場合の説得力ではないか。我国の裁判所はこういう場合、不利益な結果が出ることが明らかであっても、それが合理的な内容であれば、反対する者にも適用するというルールを定めた。いわゆる就業規則の不利益変更である。
就業規則は労働条件を統一的に設定するものである。労働条件には賃金、労働時間、休暇、休日、休憩時間等があるが、それらを変更するには労働者と使用者が合意することが法的効果を生むとされている。しかし、合意するといっても、不利益をもたらす変更に労働者が同意するはずもない。しかし、経済的環境は常に変化し、技術も常に進歩する。企業はそれらの変化に迅速に対応していかなくては生き残れない事態に陥ることもある。そうした過程ではどうしても従来の労働条件では経営を維持できない場合もある。そこで、労働条件の見直しを迫られることになるが、それはどうしても労働者にとって不利益をもたらすものとなり、容易に同意を得ることが難しくなる。当然、労使間に紛争が起き、最終的に解決を裁判所に持ち込むことになる。そうして、出た判決が、就業規則の不利益変更であり、変更内容が合理的であれば、変更に同意しない者も従うものとするというルールである。このルールが個別労働関係紛争の防止に資するものがあったとすれば、説得力はあったとみなすべきであろう。その後、合理的行動に関する要件をさらに詳細に定めた判例が積み重ねられたことにより、説得力はより強固になったとみなすことができよう。
今回のギリシャの事態を見た場合、この我が国の就業規則の不利益変更に対する合理性ルールが全くないと感ずる。国民性によるものか、我慢しようとする意志がみえない。浅い考えかもしれないが、この合理性ルールを受け入れるしか、立て直す方法はないのではないかと思う。
就業規則は労働条件を統一的に設定するものである。労働条件には賃金、労働時間、休暇、休日、休憩時間等があるが、それらを変更するには労働者と使用者が合意することが法的効果を生むとされている。しかし、合意するといっても、不利益をもたらす変更に労働者が同意するはずもない。しかし、経済的環境は常に変化し、技術も常に進歩する。企業はそれらの変化に迅速に対応していかなくては生き残れない事態に陥ることもある。そうした過程ではどうしても従来の労働条件では経営を維持できない場合もある。そこで、労働条件の見直しを迫られることになるが、それはどうしても労働者にとって不利益をもたらすものとなり、容易に同意を得ることが難しくなる。当然、労使間に紛争が起き、最終的に解決を裁判所に持ち込むことになる。そうして、出た判決が、就業規則の不利益変更であり、変更内容が合理的であれば、変更に同意しない者も従うものとするというルールである。このルールが個別労働関係紛争の防止に資するものがあったとすれば、説得力はあったとみなすべきであろう。その後、合理的行動に関する要件をさらに詳細に定めた判例が積み重ねられたことにより、説得力はより強固になったとみなすことができよう。
今回のギリシャの事態を見た場合、この我が国の就業規則の不利益変更に対する合理性ルールが全くないと感ずる。国民性によるものか、我慢しようとする意志がみえない。浅い考えかもしれないが、この合理性ルールを受け入れるしか、立て直す方法はないのではないかと思う。
by milionpara39
| 2015-07-07 16:09
| 労働法規を語る
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