2016年 08月 02日
さあ、世界史を語ろう。第127回 名誉革命と権利章典。 |
チャールズ2世は迎えられたといっても、議会の決めたことに同意することを条件にして迎えられたのであるから、議会に対して強い立場であったとはいいがたい。しかし、とはいっても、チャールズ2世は議会にも弱みがあることを十分に知っていた。それは、議会が必ずしも一枚岩ではなく、意見の相違によって分裂した集団からなっているということである。となれば、議会と対立し、もはや、議会の存在を否定することはできない王としては、その中から王に近い側の集団を味方につければ国政の主導権を握れると考えるであろう。
こうして、王に近い集団としてのトーリー党を与党とする政権が誕生することになるが、この時、王を主権者としての地位につけておくか否かを決めるのは、議会の側に移っていたことにチャールズ2世は気付いていたか。気付いていようがいまいが軍がチャールズ2世に忠誠を尽くしているのであれば、そのようなことは心配することではない。専制的に行政権を行使して、反乱が起こるようであれば、軍を使って鎮圧すればよいだけである。
だが、軍が国王の命令に従わないとすれば、国王は議会に対して、何の力もない、ただの一個人に過ぎないことになる。かくして、のような事態がイギリスをカソリック化しようとした時に生じることになる。
もしこの時、チャールズ2世に代わりうる国王候補者がいなければ、チャールズ2世も議会に対して自らの存在を誇示することができたであろうが、他にオレンジ公ウィリアムという候補者がいたために、その価値も認められることはない。
こうして、名誉革命が成功するが、議会はその成功を単なる幸運に委ねたままにしておくことはしない。今回はたまたま軍がチャールズ2世の命令に従わなかったからこそ成功したが、他の場合はどうなるかは確信が持てない。そうした不安を払拭するためには、常備軍の召集を議会の同意の下でしか認めないことである。そうして、新しく国王となったウィリアム3世につきつけて承認させたものが権利章典である。
こうして、王に近い集団としてのトーリー党を与党とする政権が誕生することになるが、この時、王を主権者としての地位につけておくか否かを決めるのは、議会の側に移っていたことにチャールズ2世は気付いていたか。気付いていようがいまいが軍がチャールズ2世に忠誠を尽くしているのであれば、そのようなことは心配することではない。専制的に行政権を行使して、反乱が起こるようであれば、軍を使って鎮圧すればよいだけである。
だが、軍が国王の命令に従わないとすれば、国王は議会に対して、何の力もない、ただの一個人に過ぎないことになる。かくして、のような事態がイギリスをカソリック化しようとした時に生じることになる。
もしこの時、チャールズ2世に代わりうる国王候補者がいなければ、チャールズ2世も議会に対して自らの存在を誇示することができたであろうが、他にオレンジ公ウィリアムという候補者がいたために、その価値も認められることはない。
こうして、名誉革命が成功するが、議会はその成功を単なる幸運に委ねたままにしておくことはしない。今回はたまたま軍がチャールズ2世の命令に従わなかったからこそ成功したが、他の場合はどうなるかは確信が持てない。そうした不安を払拭するためには、常備軍の召集を議会の同意の下でしか認めないことである。そうして、新しく国王となったウィリアム3世につきつけて承認させたものが権利章典である。
by milionpara39
| 2016-08-02 15:49
| 歴史分析
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