2016年 10月 03日
さあ、世界史を語ろう。第143回 満州族支配。 |
ドルゴンこと叡親王が呉三桂の招きに応じて、山海関を越えたのは、隣国明が李自成率いる農民軍によって倒されかねない窮状を救うという大義名文によってである。とすれば、ドルゴンの侵入によって李自成軍がたちまち瓦解してしまったのであれば、そうした目的は達成し、大義名分も消滅したことになる。ところが、ドルゴンは北京に居座り、満州へ引き上げようとはしない。
これに対して漢民族は当然抗議の声をあげるべきであろうが、そのような動きは起こらない。こうした現象の背景には、税に対する漢民族の直感的な反応が作用したものと解せないか。即ち、北方の満州族が脅威になるからこそ税による軍事費が必要となるのであり、満州族が中国本土の支配者となってしまえば、満州族対策のための軍事費そのもが不要となり、その分税負担も軽くなるではないか。そうしたことが、直感的に作用して、漢民族は満州族を支配者として受けいれたのではないか。
これが仮に、李自成の農民政権が成立していたならば、やはり、依然として満州族対策用の軍事費は必要となり、税負担の重さは変わらなかったであろうから、漢民族は国家の主体性などということよりも、個人個人の税負担を基準にして支配者を選択したことになる。
このような民族を統治するのであるから、その手段は容易に見分けることができる。つまり、税金を安くするようにさえしておけば、漢民族は異民族の支配にも易々と従うということである。事実、ドルゴンは支配権を確立すると、さっそく減税政策をとり、その後に続く康熙、雍正、乾隆についても基本は民衆の税負担を軽くするという方針を継続する。
これに対して漢民族は当然抗議の声をあげるべきであろうが、そのような動きは起こらない。こうした現象の背景には、税に対する漢民族の直感的な反応が作用したものと解せないか。即ち、北方の満州族が脅威になるからこそ税による軍事費が必要となるのであり、満州族が中国本土の支配者となってしまえば、満州族対策のための軍事費そのもが不要となり、その分税負担も軽くなるではないか。そうしたことが、直感的に作用して、漢民族は満州族を支配者として受けいれたのではないか。
これが仮に、李自成の農民政権が成立していたならば、やはり、依然として満州族対策用の軍事費は必要となり、税負担の重さは変わらなかったであろうから、漢民族は国家の主体性などということよりも、個人個人の税負担を基準にして支配者を選択したことになる。
このような民族を統治するのであるから、その手段は容易に見分けることができる。つまり、税金を安くするようにさえしておけば、漢民族は異民族の支配にも易々と従うということである。事実、ドルゴンは支配権を確立すると、さっそく減税政策をとり、その後に続く康熙、雍正、乾隆についても基本は民衆の税負担を軽くするという方針を継続する。
by milionpara39
| 2016-10-03 16:25
| 歴史分析
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