2016年 11月 02日
さあ、世界史を語ろう。第157回 ラファイエトの軽率発言。 |
財務長官カロンヌがイーデン条約の締結で失脚したとしても、彼が示した税制改革案にブルジョアジーの要求が含まれていたこととはなんの関係もない。だからこそ、カロンヌを継いだ財務長官ブリエンヌも貴族、僧侶が属する名士会に対し、地租の新設を改めて要求することができたのであろうが、この時、名士会から出た発言はまったく予想外のものであった。
名士会としては免税特権を侵すそのような要求には、いつものように拒絶さえすればいいものを、税の徴収には国民代表の意見も聞かなければならない、などといったものだから国民の政治意識に火をつけることになる。
この意見を言ったのはラファイエトであるが、アメリカ独立革命の体験からこうした考え方に染まっていたのかもしれないが、この発言は名士会の権威をたちまち低下させたことは疑う余地がない。ラファイエトとしては、この時、国民の代表の範囲を自らの属する貴族、僧侶に限定していたのかもしれないが、提案を受けたブリエンヌの方はブルジョアジーも含めたものとして受け取り、対策もそれに応じたものとする。
その結果、徴税権を持つ地方三部会を全国的な機関として容認し、財政再建への議論に国民全体を巻き込むことに道を開いてしまう。しかし、そこまでのことを認めると、もはや議論はブリエンヌの意図した財政再建問題に留まらず、政体そのものへまで広がっていく勢いとなる。それは具体的には、三部会の召集であり、国民の意思を政治に反映させるための議論の場の保証でなければならないという要求にまでなってくる。
となると、議論の場の保証という一点においては、ブルジョアジーも貴族、僧侶も同じであるから、奇妙な連帯意識意識が生まれ、ここに政治主権をめぐって対立する陣営同士の議論の場が双方の要求となってくる。しかし、議論の場の保証をするものは王権である。その王権が議論の一方である貴族、僧侶で構成される高等法院を機能停止処分にしてしまうと事態は変わる。
このことはブルジョアジーの抵抗を招いてしまうが、この事態の展開を新しい権利獲得の好機と受け止める者も中には出てくる。パルナーブもそうした人物の一人であり、彼は、高等法院は自分とは対立関係にあるとは承知しながらも、国民主権を実現するため、王権を弱体化させる道具として利用することになる。その影響は小さくなく、やがて、フランス全土に波及し、革命への扉を開いていくことになる。
名士会としては免税特権を侵すそのような要求には、いつものように拒絶さえすればいいものを、税の徴収には国民代表の意見も聞かなければならない、などといったものだから国民の政治意識に火をつけることになる。
この意見を言ったのはラファイエトであるが、アメリカ独立革命の体験からこうした考え方に染まっていたのかもしれないが、この発言は名士会の権威をたちまち低下させたことは疑う余地がない。ラファイエトとしては、この時、国民の代表の範囲を自らの属する貴族、僧侶に限定していたのかもしれないが、提案を受けたブリエンヌの方はブルジョアジーも含めたものとして受け取り、対策もそれに応じたものとする。
その結果、徴税権を持つ地方三部会を全国的な機関として容認し、財政再建への議論に国民全体を巻き込むことに道を開いてしまう。しかし、そこまでのことを認めると、もはや議論はブリエンヌの意図した財政再建問題に留まらず、政体そのものへまで広がっていく勢いとなる。それは具体的には、三部会の召集であり、国民の意思を政治に反映させるための議論の場の保証でなければならないという要求にまでなってくる。
となると、議論の場の保証という一点においては、ブルジョアジーも貴族、僧侶も同じであるから、奇妙な連帯意識意識が生まれ、ここに政治主権をめぐって対立する陣営同士の議論の場が双方の要求となってくる。しかし、議論の場の保証をするものは王権である。その王権が議論の一方である貴族、僧侶で構成される高等法院を機能停止処分にしてしまうと事態は変わる。
このことはブルジョアジーの抵抗を招いてしまうが、この事態の展開を新しい権利獲得の好機と受け止める者も中には出てくる。パルナーブもそうした人物の一人であり、彼は、高等法院は自分とは対立関係にあるとは承知しながらも、国民主権を実現するため、王権を弱体化させる道具として利用することになる。その影響は小さくなく、やがて、フランス全土に波及し、革命への扉を開いていくことになる。
by milionpara39
| 2016-11-02 16:22
| 歴史分析
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