2017年 09月 01日
さあ、世界史を語ろう。第234回 ヴェルサイユ講和会議。 |
ヴェルサイユの講和会議では、様々なことが明らかになった。それは、今、自分達の住んでいる世界には様々が問題が起こっているということ、そして、そうした様々な問題は一度に解決できないということ、解決するならば個別に分けて行なわなければ、とても手におえないということでななかろうか。
ヴェルサイユに持ちこまれた問題は、単に戦勝国と敗戦国の間に存在する問題だけではない。当事者間の問題だけであるなら、仲裁国が入って解決の道を探ることもできる。例えば、アルザス・ローレーヌ地方の仏独いずれの国かへの帰属問題などがそうであろう。しかし、ロシア革命が国内政治に及ぼす影響であるとか、ロシアという恐怖が消滅したあとの極東問題とか、そして、その後の世界に多大な影響を与えることになったパレスチナ問題など、関係国の利害が重なり合って、とても、当事者同士の間だけで解決できるものではないことも明らかになった。
そもそも、これだけ多くの問題がヴェルサイユ講和会議に持ち込まれた原因はアメリカ大統領W・ウィルソンの理想主義的な資質によるところが大きい。アメリカがこうした国際会議に参加することが始めてであり、しかも、その代表がこうした理想主義者であるならば、弱小国からの期待が集まるのは当然であろう。しかし、理想だけで現実が解決されないのは、すぐに明らかになることであり、それだけ失望も大きくなるわけであるから、こうした現実的な場に理想主義者を出席させること、そのものの意義も問われかねないということになる。
さらに、ウィルソンがその理想主義という看板にもかかわらず、日本の提唱した人種差別撤廃に反対したことは、その信頼性を失わせることになったのも事実であろう。
ヴェルサイユに持ちこまれた問題は、単に戦勝国と敗戦国の間に存在する問題だけではない。当事者間の問題だけであるなら、仲裁国が入って解決の道を探ることもできる。例えば、アルザス・ローレーヌ地方の仏独いずれの国かへの帰属問題などがそうであろう。しかし、ロシア革命が国内政治に及ぼす影響であるとか、ロシアという恐怖が消滅したあとの極東問題とか、そして、その後の世界に多大な影響を与えることになったパレスチナ問題など、関係国の利害が重なり合って、とても、当事者同士の間だけで解決できるものではないことも明らかになった。
そもそも、これだけ多くの問題がヴェルサイユ講和会議に持ち込まれた原因はアメリカ大統領W・ウィルソンの理想主義的な資質によるところが大きい。アメリカがこうした国際会議に参加することが始めてであり、しかも、その代表がこうした理想主義者であるならば、弱小国からの期待が集まるのは当然であろう。しかし、理想だけで現実が解決されないのは、すぐに明らかになることであり、それだけ失望も大きくなるわけであるから、こうした現実的な場に理想主義者を出席させること、そのものの意義も問われかねないということになる。
さらに、ウィルソンがその理想主義という看板にもかかわらず、日本の提唱した人種差別撤廃に反対したことは、その信頼性を失わせることになったのも事実であろう。
by milionpara39
| 2017-09-01 16:11
| 歴史分析
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