確約とは、その2｡

　9月9日、万博、5回目。入場者が増えていると報道されているが、まず実感したのは弁天町から中央線乗り換えへの通路の人の多さである。万博会場へ向かう人ですでに混雑している。初めて来たときには見られなかった光景である。東ゲートにたどり着いたときも入場待ちの人の後から後からと人が押し寄せてくる。最終週の大混雑が既に予想される状況である。

　以前、旅行会社が募集する万博ツアーについて、人気パビリオンへの入場が確約されているのは旅行社と万博協会どの間に談合疑惑があるのではないかと書いたが、今回、日本館への入場を待っている時にその疑惑を裏付けかねないような出来事があった。淡々と行列は進んでいたが、突然動かなくなった。それまでは止まってもいくらもしないうちに動き出したが、そのときに限っていくら待っても動かない。前方を眺めていると、人が何度か出入りしている。出入りしているなら、待っている人を順次入れていけばよいと思うのだが、その気配はなく、待ち時間だけが無為に過ぎていく。わざと止めているのではないかと疑う人も出てくる始末となったが、やがて、パビリオンの係員が出てきてお待たせしましたまもなく入場していただきますと告げる。待たせた理由の説明はない。説明がないのであれば、色々なことを推測することになる。

　開幕当初、入場者の伸び悩みに苦心した協会は旅行社にツアーを組んで募集してくれるように要請する。当初、評判が芳しくなかった万博からの要請に二の足を踏むが、条件付きで承知する。条件とは人気パビリオンに確実に入場できるという確約である。背に腹は変えられぬ協会はその条件を飲む。かくして、人気パビリオン入場確約の万博ツアーが販売されることになったという推測である。今回、わざと止めているのではないかと疑えるような事態が発祥したのは、まさにそうしたツアー観光客の団体が入場していたからではないか、と勘ぐった次第である。