2026年 03月 01日
損害賠償請求権を代位取得するには。 |
通勤途上の労働者が交通事故に会うと、労働者は加害者に損害賠償を請求する権利が生ずる。同時に労働者は通勤途上であるので通勤災害として労災から補償を受ける権利も生ずる事になる。双方から損害賠償、労災補償を受けると労働者への救済は厚すぎるという事になる。そこで、一方から補償、賠償を受けた場合、一方への補償、賠償を削減する、というルールが定められている。先に加害者から損害賠償を受けるとその価格の限度内で労災からの補償は削減される。逆に労災が先に補償すると労災は被害者が加害者に有する損害賠償権を代位取得する事になる。この法理は確定されているものであり、最高裁でも覆ることはない。
損害賠償を請求するに際して最も重視されるのは事実の認定であるが、交通事故の場合、警察によって確認されているという事実は何よりも重い。だから労災は加害者に対して当然の様に損壊賠償権を代位取得できるのであるが、そのように信頼される機関によって事実認定されることのない弱い立場のものが損害賠償請求権を代位取得しようとしたた場合、どうやって事実を証明すればよいのか。この問題に関し、先日最高裁である判決が下された。刑務所に入所していた母が同室者からいじめを受けていたので母に代わって損害賠償請求したいというという娘の訴えであるが、事実を証明するいじめの調査記録の開示を求めたが認められなかった。理由はいじめられたというのは請求者が主張しているだけにすぎず、事実として認定されたものとは言えないからというものであった。
まさに立場の弱いものの泣き所であるが、ではどうすればよいのか。事実を補強するための同室者の証言や看守の証言などが考えられるが、あてにはできない。それならば、法律を制定して弱者保護を図るという事になるが、気の遠くなるような話である。
by milionpara39
| 2026-03-01 16:37
| 労働法規を語る
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